伝統作物を育てる学校菜園の普及
生物多様性プロジェクトの3年目では、ケニアの子どもたちがこのプロジェクトで学んだことを実践する場を提供することが活動目標の一つとなっています。子どもたちに、地球上のすべての命が大切であり、人間もその命に依存していることを、このプロジェクトを通じて広めることを目指しています。農業はケニア経済の中心的な産業であり、労働人口の約 75% 以上が農業に従事しているとされています。そのため、どのような農法を採用するかが地域の環境保全や生物多様性を守るために大きな影響を与えると考えています。
ケニア西部ケリチョー郡のCheramor(チェラモール)小学校とKipsitet(キプシテット)小学校の農業クラブの子どもたちと一緒に、伝統作物を育てる学校菜園づくりを始めました。
このプロジェクトでは、化学肥料や農薬に頼らない持続可能な有機農法に取り組んでいます。まずは土壌を改善するために、野生の草花を細かく刻んだものや木の小枝と家畜の糞、灰と土を重ねて発酵させた有機堆肥を作りました。さらに、病害虫を有機的にコントロールする方法として、マリーゴールド、ローズマリーや玉ねぎを作物と同じ畑に植え、これらが病害虫の予防に役立つことを学びました。また、ニンニクや唐辛子、マリーゴールドを細かく刻んで水と混ぜて発酵させた、環境に優しい防虫液を使う方法も紹介しました。上記は一例で、環境に配慮した防虫液の作り方は過去にHANDSケニアのfacebookで紹介しています。
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HANDSは学校菜園を8区画に分け、代表的な5つの作物グループ(穀物、豆類、根菜類、野菜、果樹)これらすべてを同時に栽培する方法を推奨しています。中でも、昨年7月に種をまいた伝統野菜の一部は、約2か月後に収穫し、種を収穫することができました。子どもたちは研修を通し、農業の専門家から収穫した種を長期保管するために灰と混ぜる方法を学びました。栽培に時間がかかるキャッサバや果樹も、子どもたちの献身的な世話のおかげで順調に育っています。
写真1(左):マルチストーリーキッチンガーデン(大きな袋を利用した多層階菜園)を完成させ、伝統野菜の苗木を植え、水やりをするチェラモール小学校の子どもたち。
写真2(右):チェラモール小学校の学校菜園で芽吹いてきた伝統野菜の苗に手作りの防虫液を散布している様子。
写真3(左):キプシテット小学校の学校菜園。種まきから約3カ月後の様子。手前はキャッサバの苗、奥にはメイズや伝統野菜が見事に育った。
写真4(右):伝統野菜の種の取り方や保存方法のトレーニングを受けるキプシテット小学校の子どもたち。種を長期保存するために灰を混ぜる方法を学んだ。
学校菜園を通じて、子どもたちは地域に伝わる伝統的な作物の価値を理解し、環境保全に配慮しながら生物多様性を守る大切さを学んでいます。
本プロジェクトは、独立行政法人 環境再生保全機構の「地球環境基金」の助成を受けて実施しています。