活動先小学校での最終報告会
HANDSケニアでは2022年から3年間に渡る「ケニアの子どもたちと守る生物多様性プロジェクト」を振り返り、活動に参加した子どもたちや担当教員、地域のコーディネーターを対象に各地で最終報告会を先月3月に実施しました。
「ケニアの子どもたちと守る生物多様性プロジェクト」は民族と文化が異なる3つの郡で実施しました。アフリカ大陸のグレートリフトバレーに位置するケリチョ―郡2校、ナロク郡1校、西部のビヒガ郡1校、合計4つの小学校からこのプロジェクトに参加した子どもは3年間通して総勢220人程になりました。彼らを熱心に指導した各小学校の農業や環境クラブの担当教員、学校と地域をつなぐ地域コーディネーター、子どもたちへ伝統知を継承する地域の高齢者など、コミュニティの多くの方々に支えられながら子どもたちは地域の生物多様性を守ることの大切さを学びました。
各小学校別に活動を通して子どもたちが作文や絵で記録したその地域に伝わる郷土食や伝統的な作物、自生種のハーブや樹木など、どのようなアィテムが一番多く記録されたのかランキング形式にして振り返りを行いました。さらには作文の提出総数、伝統的なアイテムをどれだけ記録できたかについて学校別の順位をつけ、その結果を発表するたびに子どもたちは一喜一憂、拍手や歓声に包まれました。
プロジェクトの成果物として地域別の図鑑が2025年2月に完成しました。これは各地域に伝わる郷土食や伝統的な作物、自生種のハーブや樹木について子どもたちやユースが作文やイラストで詳細に記録したものをHANDSがとりまとめ、時間をかけて作り上げました。待望の図鑑は活動報告会でお披露目し、各小学校やコミュニティへ配布しました。子どもたちは掲載された伝統的な植物やアイテムをとても誇らしげに見入っていました。今後は小学校や地域の図書館で保存され、教材として幅広く活用される予定です。
各地の図鑑はこちらからご覧になれます。(クリックでリンクへ移動します)
このプロジェクトの目的はケニアの子どもたちと生物多様性を守ることでした。彼らはプロジェクトを通じて地域の豊かな自然資源を発見し、伝統的なアイテムや郷土食文化について多くの学びを得ました。地域の自然資源を有効利用し、次世代にも豊かな環境を残せるよう彼らのこれからの持続可能な活動が受け継がれるよう願っています。
このプロジェクトは2025年3月末を持って終了しましたが、4月より第二期として、小学校だけでなく、大学生、ユース、住民グループなど、様々な層を対象に異なるアプローチで、活動を拡大します。これまでに活動してきた小学校やコミュニティでは、彼らが主体となり、農業や環境クラブの子どもたちを中心に学校菜園などで伝統的作物の栽培を続け、自生種の樹木の植林を目的に苗木を育てる計画などが動き出す予定です。
本プロジェクトは環境再生保全機構地球環境基金の助成により実施しています。